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 私は影なので、本来は人間の食事を摂らなくても問題はありません。しかしアイラが一人の時と美味しそうな料理の時は一緒にいただくことにしています。それはアイラが幼いころからの習慣でもあり、私にとって食べるということは純粋な趣味、楽しみの一つでもあるからです。 「うん! 美味しいわよ、フラーミィ」 「ありがとうございます。本日のコーンスープはホワイトソースをバターと小麦粉で作り、別に作っておいた野菜スープと厳選した牛乳で溶き伸ばしました」 「へえ。でも野菜の形とかコーンの皮とか、全然ないのね?」 「はい、ミキサーで砕いたのち、()しておりますから」 「へえ、なるほどねえ」  スプーンを口に運ぶ手は止めずにアイラは頷きました。 「アイラ、食事中ですが、昼間学校で髪を乾かした報酬をいただいてもよろしいですか?」 「え? フラーミィ、あなた学校でもう精命を食べたよね?」 「あれは落下した(はさみ)が切ってしまった髪から、こぼれた精命をいただいただけです」 「いいじゃない、食べたことには変わりないんだし」 「報酬とは違いますよね?」 「ふーん、なんだかズルい理屈じゃない? でもまあ、いいけど」
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