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 稜佳は料理を注文するタブレットを独占して、何度もページを切り替えては、画面を凝視していました。すでにファミリーレストランに入店してから十分が経過しています。  アイラは退屈そうにテーブルに肘をついて、稜佳の様子を眺めています。席に着いてすぐに、メニューを一瞥(いちべつ)するなり「私はメロンのブルリェパルフェね」と注文を決めて、一来にタブレットを渡していました。  一来はアイラの分の注文をタブレットに入力してから、一通りメニューを全部眺め、「僕はメロンクレープにしようかな」と自分の注文を入力も済ませていました。あとは稜佳が注文を入力するだけなのですが、いっこうに決まらないのです。 「遅い! 待っていられないわ。稜佳はゆっくり眺めていていいから、私たちのだけ、先に注文を送信して。ドリンクでも飲んでるから」と、アイラの活が入ったところで、ようやく稜佳はメニューを選び、入力しました。 「送信、っと。これでよし。ねえねえ、フラーミィも食べるなら、ホラ、アレ、アレにならないと。アレになったら、なんでも好きな物、注文してあげるよ~?」と瞳を輝かせました。
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