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「分かった分かった。とにかく、シャープペンは砕けた」と、一来が話を引き戻しました。  私としては、大切な精命のことを軽く流したりしてほしくはないのですが、今はもっと大事な案件があるため抗議するのはあきらめました。 「不思議だね」と稜佳が首を傾げました。 「それに、この前、稜佳めがけて、落ちてきた石も砕けたんだよ」 「えっ?! そうなの?!」 「うん。ほら、見て」と、砕けた石をペーパーナプキンの上に置きました。 「本当だ……」  一来は今度は手を切らないように、慎重に切り口をさけて、石を手に取って観察しました。 「マミちゃんが言うには、同じように、突然落ちてきた山田君の消しゴムも砕けたそうよ」とアイラが言いました。 「えっ、じゃあ、落ちてきた物はなんでも全部、砕けているってことか? しかも、時間がたってから砕けるってことは、落ちた衝撃で壊れる訳じゃないんだな」 「そういうことになるわね」 「それにね、落ちてくる対象が、だんだん大きくなっているんだよ」  落下と破砕の対象が、徐々に大きくなっていくことに、私が不気味さを感じていることは言わず、事実だけを言いました。 「まあ、偶然かもしれないけどね」
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