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 すると一分もしないうちに、影クモのマミが、糸を手近な枝に飛ばし、振り子のように使って近寄って来ました。 「マミ、下に降りたいんです。命綱をかけてください」  マミはくるりと瞳を虹色に輝かせたかと思うと、丈夫な糸を何本も出して、私と紅霧をグルグル巻きにし、反対側の糸を木に巻きつけました。 「とても重量がある状態なのですが、糸の強度は大丈夫ですか?」と言うと、マミは瞳の色を赤く輝かせ見つめてきました。 「おや、怒ったのですか? ただの確認です。疑っている訳じゃありませんよ」  マミの糸を使い、慎重に地面に降り立つと紅霧をそうっとおろしました。紅霧はぶるるッと身を震わせると、背中を丸めて伸びをしました。 「紅霧、大丈夫ですか?」 「にゃん。地に足がついたとたん、嘘みたいに軽くなったよ。それにしても、直接攻撃を仕掛けてくるとはね。とりあえず、身体に異変は感じないけれど、さて」 「ちょっと失礼します」
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