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俺は副業を2つ始めた。
1つは猫の運び屋。猫の荷物を預かり、別の猫に渡す。猫の間で荷物をやり取りする仕事。
いつしか評判を呼んだのか、いつもの三毛猫以外にも依頼猫がやってくるようになった。俺は猫がいつ依頼に来ても困らないように居間の入り口に集会に来る猫の写真を並べておくことにした。そうすれば自分で選んで荷物を置ける。
その対価に写真を撮らせてもらう。1猫1依頼につき1枚。
思いのままの猫写真を撮る。俺の無駄に卓越したスキルのなせる業なのかもしれないし、ひょっとしたら猫が人語を解して協力してくれているのかもしれない。
もう1つも猫の運び屋。
世の中には猫愛好家はたくさんいるもので、俺がぽちぽち個人用アカウントでUPする猫写真が話題を呼び、猫写真をリクエストされることが増えた。猫の写真を人に運ぶ仕事。
【白猫 上を向いている画像】とか【キジトラ 餌を食べている画像】とか、リクエストに応じてピンポイントで写真を撮る。猫の写真を送信して対価に小銭をもらう。
俺の写真の技術は猫を撮るためにあったのだ!
この特定の猫を特定のポーズで撮るっていうのはなかなかレアな技術のようで、ちょっとした小遣い稼ぎになってる。
さてこの話。本当は俺の妄想なのかも知れない。正直なところ猫の仕事の仲介をしているというのは俺の思い込みかも知れない。ひょっとしたらいつのまにか、猫嫌われから猫好かれにクラスチェンジしたのかもしれない。
ただ、俺の庭猫フォルダは順調に増えている。小銭も稼げてる。
俺がこの仕事を始めた理由、それは神様の思し召し!
猫が写真を撮らせてくれるから。猫は神!
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