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 そしたら、なんと! 次の瞬間には私、目的のバス停にいたのっ!  歩行者用信号は まだ赤のまま変わっていないし、決して信号無視して渡ったわけでもない。それなのによ?  反対側から信号待ちをしていた筈の少年が一人、やはり何時の間にか私がいた側の歩道に移っていて、不思議そうに首を傾げてた。  これって、もしかして瞬間移動―― テレポートっていうやつ……?!  自ずと、そんな考えが浮かんだわ。  それぞれに道路の反対側に渡ろうとしていた私と少年とは、お互いの望み通り、居場所が瞬時にトレードされたんじゃないかしら、ってね。
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