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 次の瞬間。私の目に飛び込んできたのは、同僚――早番の河村さんだった。 「「うわっ!」」  お互いびっくりして、同時に声をあげた。  そこは、紛れもなくバイト先の施設だったの。どうやら、瞬間移動は再び成功したみたい。 「割と早く着いたのね」 「は、はい。そう、ですね。といっても、遅刻には変わりないので……申し訳ないです」  決まり悪くなって、頭を下げた。 「まぁ、次から気をつけてくれれば、ね」  笑顔で応じてくれた河村さんが、ふと首を傾げる。 「あら? そういえば、新城くんは どこへ行ったのかしら。今の今まで ここに居たのに」   ――新城さんの家って、たしか「緑町三丁目」のバス停近くじゃなかったかしら。  昨日の夕方から夜勤に入っていた彼は、日勤の私と入れ違いで帰宅する段取りになっていたのよね……  そこまで考えを巡らせると。思い当たる一つの説が、自然と口から零れた。 「新城さんは、今頃もう自宅に着いてるんじゃないかと思います……」
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