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「本当にありがとうございました! この御恩は一生忘れません!」  眠りから覚めるなり、隈を蓄えた男は叫んだ。しかも、深々とお辞儀までして。  感動の滲む態度に、貼り付いた笑顔で対応する。横の幼げな相棒は、いつも通り死んだ目をしていたが。 「いえ、我々もこれが仕事ですのでー」  重くなった鞄を、小さな掛け声と共に持ち上げる。それから、礼を続ける男へと再び笑みを撒いた。 「それでは良い夢を」
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