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うう、眠い。
奏さんに付き合って1時くらいまで起きていたため、ものすごく眠い。
そのせいで僕は初めて授業中に居眠りをしてしまった。
「……神城、起きろって、神城」
後ろから揺さぶられ、僕は目覚める。
「問2の3番、あてられると思う」
後ろの席の……確か、瀬戸悠希だったはずだ。が、僕が目覚めたのを確認してから教えてくれる。
「ありがと」
呟き返し、僕は言われた番号の問題を解く。
「神城、個々の答え、言ってみろ」
数学教師が僕に言う。
瀬戸くんの言った通りの場所だ。
僕は答えを言い、心の中で瀬戸くんに感謝した。
数学教師の瀬沼は気に入らない生徒へのいじりがすごい。
もし、瀬戸くんが起こしてくれなければ、居眠りがばれて、これから先、数学でいじられまくることとなっただろう。
授業が終わり、昼休みになるとともに僕は後ろを向いて改めてお礼を言った。
「ありがとう、瀬戸くん。危うくいじりの標的にされるところだったよ」
「ん、気にすんなって。珍しいな、神城が居眠りとか」
「あはは、昨日ちょっと遅くて……。空でいいよ、神城って言いずらいでしょ?」
僕が笑って言うと、瀬戸くんははにかむように微笑み、言った。
「じゃあ、オレも悠希でいいよ」
「わかった」
微笑みあっていたら、廊下側のほうの席の人たちに呼ばれた。
「瀬戸ー!ちょっときてー!あ、よかったら神城くんも!」
んえ、僕も?
「なんだろな?」
「さぁ?」
首をかしげあい、僕らは呼んできた子たちのほうへと向かった。
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