しあわせ

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 マキがお風呂を貸してくれるというので、シャワーを借りることとする。  身体中がベタベタだ。  僕は手早く身体を洗い流し、風呂からあがると元の制服に身を包んだ。 「マキ~?あがったよ~?」  部屋にいるであろうマキに声をかけながらドアを開ける、と。  部屋にはマキと、女の人がいた。  あれ?これってさ、世に聞く……浮気っていうやつ……?  いやでも、マキに限ってそれはないよ、ね……?  修羅場って漢字、かっこいいよなぁ……。  そんなことを考え、呆然とする僕に、マキははっとしたように言った。 「先輩、誤解しないで下さいね?!こいつ、母親ですから!」 「お母様に向かってこいつとは何よ」  お母さん? 「えええ、わかっ!」  母親どころか姉、いや、同級生……にしては大人っぽすぎるか。 「あら、お上手ね。真希、お友達?」  美しく微笑みながら、マキに聞く。  あ、そっか、僕らが付き合ってるって、言わないほうがいいよね。  ここはマキに合わせよう。 「いや、恋人」 「はい、僕、マキの恋人で神城空といいます。……ってええええ?!」  思わずうなずいてしまってから、叫ぶ。  恐る恐るマキの母親を見ると、やっぱり。目をぱちくりさせている。  これはもう修羅場でしかない、よね……?
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