プロローグ

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プロローグ

 猫はとった獲物をすぐには殺さない。  手の内にある獲物をもてあそぶことで、支配欲を満たし、優越感に浸るのだ。  私はこんなに強いのだ、これから死にゆくおまえと違って私はとても幸せなのだ、と。  苦しむ獲物を見ることで、自身の幸せを噛みしめる。  だがらこそ、そんな猫を捕まえ、もてあそぶ。  上には上がいるのだよ。  さあ存分に苦しむがいい、そしてひとときの幸せを与えておくれ。
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