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「理子ってさ、何て言うか頼りなさそうだし
一見気が弱そうに見えるから、そういう変な男達に
好かれるんだよ。」
「そうかなぁ?」
「そうなの!
隙があるんだよ。
駄目だよ?自分の身は自分で守らなきゃ。」
「うん…。」
グラスに入った水を一口飲んだ千晴の
眼光は鋭い。
「で、ちゃんと断ったの?」
「もちろん。」
「それならいいけど。」
うん。
ちゃんと断った。
断ったけど…問題はその相手と毎日のように
顔を合わせないといけないと言うことだ。
だけど流石にそのことは言えない。
だって千晴は友人ではあるけど同僚でもある。
美堂さんがそんな人だと知ったら、仕事が
やりにくくなってしまうから。
と言うか、そもそもあの美堂さんからそんな
発言が飛び出すなんてなかなか信じがたいと思う。
私だって未だに信じられない気分なんだ。
やっと表情を柔らかくした千晴はテーブルに
運ばれてきたランチに手をつける。
私が断ったって言ったから、とりあえず千晴の中で
この話題は終わったらしい。
正直、私の中では何も解決はしてないけど
お腹は空いたし、美堂さんのことは置いといて
ランチを食べることにした。
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