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「やめて、パパ。女子同士の話に入るなんて無粋よ。ね、羽菜さん」
「あはは!気に入って貰って光栄ですよ」
「すまんすまん、大事な話も終わったし、帰るぞ。
分けて欲しいお菓子があるなら箱を頂きなさい」
ケーキボックスに一つずつ並べていく羽菜。小瓶に蜂蜜のアーモンド漬は別の箱に並べた。
「残った蜂蜜はお紅茶に入れても美味しいですよ。ナッツティほのかに香りますから」
「分かったわ」
「またご連絡おまちしております」
手を振って可憐は帰って行った。
「よくやったね、羽菜。機嫌をとって働いて貰えるのが1番だ」
「そうですね。ありがとうございます。ええっと、次は……」
===
羽菜はみんなに可愛がられた。
ハムスターとかなんとかいわれていたが、あんな齧歯もくのネズミなんかじゃない。うさぎだ。
うさぎみたいに小さくてホワホワと温かで、かと言って、少し艶やかな色気がある。胸が大きいのも目がいってしまう人もいるだろう。
まるでバニーガールだ。
母親の瑠璃とはちがう妖艶さを出していた。
「羽菜、」
「はい?」
「キスして」
「え?は?」
羽菜は手帳を捲る手を止めた。
「キスして」
「仕事中で、あ、んんーん!」
泉李に引き寄せられ、無理にキスされる。
「んん。」
泉李の舌づかいに、羽菜の腰がぐにゃりと落ちる。
「んんんあ、やめ、やめてくだ、あ」
ああ、やっぱり羽菜はうさぎだ。ふわふわの。
胸を服の上から持ち上げる。それだけでビクつく身体。ソファの上に羽菜の体が沈む。
泉李はキスをやめなかった。
羽菜はなんとか無理矢理呼吸をしている。
「うんんっ、泉李…はぁっ…やめて」
羽菜のブラウスを剥ぎ取りたい。
ボタンを片手でプチンとはずす。
白い肌が見える。
「だめですよ、人がきたらっ」
「今は来ないさ」
「坊っちゃーん、打ち合わせのお時間デェス。」
吉住がするりと入って来る。
泉李も羽菜もびくっと肩を震わせる。
羽菜は慌ててボタンをとめた。
「何故ノックをしない。」
「しましたよー、こんな感じで」小さ〜くトントンと壁を叩いた。
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