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「お前はほんとやらしい奴だな」
「やらしい奴は坊っちゃんですよ。うちの可愛いマスコットに手を出して」
言い訳できない泉李はチッと舌打ちをした。
「はい、これ。全店舗の今週の売り上げと、それからお客様のクレーム。まぁ、少なかったほうだけど、神崎じゃ甘かったかなぁ、対応指導が。あと、山間龍、大浴場の石が欠けてるみたいだ」
「はー。山間龍かぁ。怪我したら危ないからすぐ修理する手配を。売り上げも下がったところは下がった理由を考えて動くように指導。クレームはSNSで来てるやつはすべて、山口に、丁寧に謝罪と、またきていただけるように、フォローをいれたコメントを入れるように伝えておけ」
「はい、坊っちゃん。坊っちゃんはそのプリント読んでくださいね。うちのマスコットを弄り回さないように。」
泉李は2回目の舌打ちをした。
「早くいけよ、もう!」
「はいはぁい♪」
するりと消えていく吉住。
まあ、吉住が手伝えるのはここまでだ。
屋敷の仕事が本来の仕事だから。
屋敷の仕事も多いのに、つい、手や口を出してしまうのは吉住の悪いところだ。
鳳の事も穏便に済ませられればいいけれど。
泉李の事も恋に溺れたりしなければ良いけれど。
まあ、でも多分そこは羽菜の方が喝を入れてくれると信じているが。
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