おとぎ話

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吉住が帰ったのを確認して、羽菜は大きな声をだす。 「もうっ!仕事中なんですからね!そゆことはおやめになって!」 「じゃ。仕事終わってからなら、いいのか?」 「もぉっ!泉李さんっ、今は仕事に集中なさってくださいよ」 羽菜は電卓を叩いているが、口を尖らせている。 ちょっと怒っているのか? 「羽菜、ごめん?怒ってる?」 「怒ってますよ。ちょっと。」 「ごめんな?許して」 羽菜が見ると眼鏡の中の瞳がしゅんとしていた。 うっかり可愛い顔をしていたので、許したくなったけれど我に返る。 「っ!許しますけど!今日みたいな事しないでくださいね!」 「……それは自信がない」 「何言ってんの!?、早く終わらせて部屋に帰ろうよっ!もうー、どこまで計算したか分からなくなったぁ」 羽菜がきゃんきゃんとうるさいので、ため息を吐き、ようやく泉李は書類に目を向けた。
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