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"働いてばかりじゃ体が休まらないので、今日はお休み。バタバタしてるとお肌にも悪いです。そんな時、お姫様が、遊びにやって来られました。前に王様と来られた可憐姫です"
「お久しぶりです。可憐ちゃん」
「会いたかったわ、羽菜ちゃん」
連絡を日に日に重ねているうちに2人は「ちゃん」で、呼び合うほど仲良くなっていた。
「私の部屋に来て」
「羽菜ちゃん、えっと飲み物、いえ、お飲み物は温かいもの冷たいもの、一式お持ちしましょうか?」
従業員たちは、羽菜だけだとタメ口なのだが、一緒にいるのが、可憐お嬢様なので、タメ口を敬語に話し直す。
「いいえ、そのかわり、ポットに入ったたっぷりのお湯と、頼んでおいた色々なお菓子をお出しして欲しいんです」
「畏まりました。少々お待ちくださいませ。すぐにご用意致しますね」
「部屋で待ってます。可憐ちゃん、こっちよ」
「いつも見てもすごいわねぇ、綾元邸って。お城みたい」
「でも、私の部屋は違うわよ、ここにある全部屋からしても狭い部類だもの。でも、正直、昔はもっと狭いところに住んでいたから、とっても広く感じるわ」
「羽菜ちゃんが満足なら良かった。是非お部屋を見せてもらいたいわ」
「勿論!」
案内すると、可愛らしくて素敵なお部屋だと褒められた。
もともと飾りっ気のないへやだったが、瑠璃が部屋に似合う小物類やベッドカバー、綺麗なカーテンを買ってきたのもあったからかもしれない。
少しおしゃべりした後、2人はお互い箱を取り出した。
中身は羽菜と可憐は自分たちが漬けたハチミツのアーモンドだ。
色々な花の種類が瓶に書かれてあり、アーモンドが沢山沈んでいた。
「まだこっちは漬けてまもないから、こっちをお勧めするわ」
「待って、お菓子に乗せるなら浅漬けの方がいいかもよ。あまったるいよりあっさりしたほうがいいでしょう」
「そうね!食べてみて考えましょう」
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