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羽菜は、他にも色々とホテルが関わるイベントを開催させて貰ったり、楽しくなるような宿泊プランを考えている間に、泉李の元を離れ、イベントの企画を任されるようになった。
ちなみに可憐は小さなケーキのお店を開店させた。
と、言っても可憐が作るのではなく、数人、パティシエを雇い、蜂蜜を使ったお菓子を売ることにしたのだ。
結構流行っているらしい。
話は戻って。
泉李と羽菜は、仕事で離れていても結局は会えてしまうからか、二人はいつまでも、のんびりと恋愛を過ごしてきた。
"王子様とお姫様は仕事が大忙しだけど、いつでも、会えるのでゆっくり恋愛を育んでいました。
女王様が怒るまで。"
「貴方達、もう26歳よ!そろそろ結婚なさいな!」
まさか瑠璃から怒られると思っていなかったので、泉李と羽菜は顔を見合わせた。
「お母さん、いいのですか?僕たちが結婚しても」
「いいも悪いも、あの遺言状に書いてあるでしょ?あなたたちは私が何を言わなくても結婚できるし、そろそろ孫の顔でも見せてちょうだい!ね、あなた!」
あんなに初めは反対してたのに。と泉李は心の中で思う。
そして、孔明はゆっくり頷く。
「こんな良い子を見つけてきてありがとう、泉李。羽菜ちゃんなら泉李と一緒になんでもやっていける」
「あ、でもあの全店舗で考えている宿泊プランの企画を先になんとかしなくちゃ、結婚式できませんね」
羽菜が言う。
「あー…あれな。今からだと難しいから、来年結婚式のこと考えていこうか」
泉李が言うと、彼女は頷いたが、瑠璃は「遅いわ!他の誰かにやらせなさい!あなたたち働き過ぎなのよ」
2人は再び顔を見合わせた。
誰かに仕事の引き継ぎ…、なんて面倒臭い。が、瑠璃の剣幕の方が恐ろしい。
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