31人が本棚に入れています
本棚に追加
"結局仕事を引き継ぎするにしても、大変だったけれど、王子様とお姫様は女王様に叱られないように、なんとか頑張って話を進めつつ、結婚式のパンフレットを執事に用意させました"
泉李が屋敷に戻ると、自分の部屋のテーブルの上にパンフレットが山のように置いてある。これを2人で1ページずつ読んでたら、まるでこれこそ仕事のようだ。
泉李はガクリと肩を落とす。
結婚したいのは山々だが、この多さはどうだ。
電話の内線で吉住に電話をかける。
"吉住です。坊っちゃんなにか?"
「うちのホテルの結婚式プランがあるだろう?あんなでいいんだけど!?多すぎて、分からない」
"そう言うと思って、そのプランと、羽菜ちゃんのウェディングドレスのパンフレットを最小限に用意しました。それでもそんな数に。お二人でご覧ください。では"
勝手に電話を切られてしまった。泉李は舌打ちをした。
が、結局決めないといけない事だし、お客さまにうちの結婚式を見てもらうのも商売になる。そして、なによりかわいい羽菜のウェディングドレス姿を自分がみたかった。
「うーん、羽菜を呼ぼうか」
今度は羽菜の部屋の内線ボタンを押す。
「はい。羽菜です。泉李くん、どうしたの?」
「結婚式場のパンフが届いたよ。ちょっと来てくれないか?」
最初のコメントを投稿しよう!