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〜〜昔々ある所に、2つの財閥の仲の良い夫婦がいました。
この2つの老夫婦たちは、何処かが主催したティーパーティーで知り合い、夫妻でとても仲良くなりました。
「私達は歳をとり、子供たちも、もう結婚してしまった。孫たちももう大きくなり、皆、好きな人がそれぞれいる。
出来れば、お互いのひ孫たちが結婚してくれたらいいのに」
冗談で老夫婦の1人が言いました。
「おぉ、それはいい、それはいい。私達の縁をずっと引き継ぎたい。約束しようじゃないか。性別の違うひ孫が生まれた時、2人を結婚させよう」
これもまた冗談で返しました。
「もし、その2人が結婚したら、我々が亡くなっても、この縁が引き継がれるのに……冗談で遺言状に書いてみようか。はっはっはっ!まぁ、そんなうまくいかないとは思うけれど」
「そうですね、縁は縁ですもの。簡単に上手くはいきません。無理矢理はよくないと思いますので、25、いえ、23歳までにお互いに好きあった結婚相手がいなければ、2人を結婚させる、というのはどうでしょうか?」
「いいですね!それならば、私たちの縁が受け継がれますわね」
フフフと上品に笑う1人の老女。
それにつられて、もう1人の老女も笑います。
「まぁ、期待して。書いてみようか」
その2つの大金持ちは、そんな簡単な想いで、遺言状を書きました〜〜
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