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そして、2人の目の前には新発売のハワイアンバーガーとガーリックソースチキンバーガーのセットが並んでいた。
どちらもクーポンを使って買った。
「泉李、お前、ほんと、珍しいな。こんなの食べないじゃん」
「高2だよ、ジャンクフード食べ盛りの時期だろ?」
そういうと、カリッと揚がったチキンに、茶色のこってりしたソースがタップリとかかっているバーガーを一口頬張った。
そして、眉を寄せる。
「ほら、お前のその顔。美味しそうには見えない。こってりしたのとか、苦手じゃんよ」
「美味いよ、チーズが最高にね」
北斗は片眉をあげる。
泉李はそれを鼻で笑い、もう一口頬張った。
北斗も自分のバーガーを食べ始める。
「でも、何で急に?」
モゴモゴと食べながら、北斗は泉李に問いかけた。
泉李は外をチラリと見る。
羽菜は、まだ通りかかる人達にクーポンを配っている。
小神野……
割と近くに住んでいるのか?
小神野、下はなんという名前なんだろう。
バイトをしているし、高校生か、もしくは大学生?
いや、見た感じ大学生には見えないな、背も低いし、高校生になったばかりか?
「なんだよ、どうした?」
「いいや、何も。こう言う割引券で何かを食べるのもいいなと思っただけさ」
北斗は首を傾げて泉李を見ていたが、結局ちゃんと答えてくれるとは思わなかったので、再びハンバーガーを頬張った。
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