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シンデレラの正体は
今日はクリスマス。金曜日なので仕事が終わってから秋山とデートをする約束をした。
なかなか本当の事を言ってくれない秋山を色々と理由をこじつけてデートに誘ってしまった。
俺を認めてもらって妹に会わせろだなんて、我ながらよく言ったものだ。
クリスマスにデートという事に最初は難色を示していたが、なんとか口説き落としてOKをもらえた。
クリスマスに二人きりで会えるなんて嬉しすぎる。
わくわくしすぎて仕事も手につかなかったくらいだ。
今夜俺はきちんと俺の本当の気持ちを秋山に伝えるつもりだ。
あの忘年会の日、俺も秋山もしこたま酒を飲まされていた。
俺は実はザルなので酔っぱらってなんかいなかったが、平気な様子を見せるといつまでも飲まされてしまうのでわざと酔っぱらったふりをしていた。
秋山の方はというと正体をなくすくらい泥酔しているようで、誰にお持ち帰りされてもおかしくない状況だった。
秋山は自分の事をもてないと思っているようだが、実は男にもてるのだ。
俺が気付いてるだけでも4,5人はいる。
そんなやつらにとってこの状況は願ってもない事だろう。
その証拠に秋山の方をちらちらと盗み見て連れ出す機会を伺っているやつらがいた。俺もその内の一人なわけだが…。
俺は酔ったふりをし、秋山とトイレにいくふりをして表に出てタクシーに乗せた。
荷物は前もって移動させてあって、タクシーに積み込み済みだ。
そのへんはぬかりはない。
そのまま家に送り届ける事も考えたが、タクシーの中で俺の服の袖をきゅっと掴んで胸に頭をすりすりと摺り寄せられて、行先をホテル街にしてしまった。
何の抵抗も見せる事無くラブホの一室に秋山を連れ込む事に成功した。
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