1電話

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 ミーン ミーン セミの音と夏の暑苦しさで起きる。 俺「はぁ、もう九時か」 学校は夏休みの始まり、普段だったらとっくに遅刻している時間であろう。 俺「ん?誰かから連絡が来てる」 手元に置いてあったスマホの画面に、見知らぬ番号からの着信がある。 俺「知らない番号だけど掛け直してみるか」 プルルル プルルル  ピッ 「   ないで」 微かに声が聞こえるが、はっきりとは聞き取れない。 俺「なんて言ってるんだ、全然聞き取れないよ」 「し  ないで」 少しは聞き取れるが妙なノイズが入り「   」のあたりが聞き取れない。 「し  ないで!」 「死なないで!!」 ガチャ ツー ツー… 俺「なんだよ死なないでって、いたずら電話かよ」 この訳のわからない電話も、この異常な程に暑すぎる夏のせいなんだろうと、この時は気にならなかった。 俺「やばい、そろそろ病院に行かないと」 今日は、最近事故を起こした幼馴染みのお見舞いに行く日だった。
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