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2病院
病院までは自転車で30分、少し遠いがやっと着いた。
俺「具合は大丈夫か」
凛「全然平気だよー」
凛の、元気そうな姿を見て安心する。
俺「車に跳ねられたって聞いた時は、かなりビビったけどお前は頑丈だな」
凛「私は無敵だからね」笑
凛は笑いながらそう言うが、実際ほんとに驚いている、車に跳ねられたら転んだり飛ばされた衝撃で擦り傷や骨折とかするはずなのに凛には目立った外傷がない。
俺「マリ◯じゃあるまいし、気を付けないとほんとに危ないからな」
凛「分かってるってー、て言うか夏休みいいなぁ」
凛は夏休みに入ったばかりの俺を羨んで言う。
凛「俺くんといっぱい遊びに出かけたかったなぁ」
そう言ってくれるのは嬉しいが、凛は事故をしたばかりだし、いつ退院出来るかもわからない状態だ。
俺「ほんとだよ、あれだけ花火大会行きたがってたのにこの有り様だからな」
俺はそう言うが、本音は自分が凛と一緒に行きたかったなんて言えるはずもなく、皮肉めいた言い方になってしまった。
凛「行きたかったなぁ、花火大会」
何か言い返してくると思ったのだが、呟くようにそう言われると悲しくなる。
俺「まっ、花火大会までまだ日にちあるし、その時までに退院出来れば行けるだろ」
少しの沈黙に耐えきれずそう言ってしまった。
凛「そうだよね、その日の前に絶対退院する!そしたら……」
俺「そしたら、なんだ?」
凛「俺くん一緒に花火大会行こうね!」
俺から誘おうと思ってたのだが、不意を突かれて少し驚いて口調が焦る。
俺「そっ、それな!」
いや、それなってなんだよ。テンパりすぎだろ俺……
凛「約束ね」
俺「あぁ、約束な!」
夏の始まり、俺は凛と約束をしたそして決めていたその日凛に告白することを……
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