*セオの光

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ソファではまだバンビが眠りこけていた。 逆さ向きになった体が半分も床に投げ出されているという、なかなかに豪快な寝相だ。 リョウは一気に気持ちが現実に引き戻され、内心ホッとしながらバンビを起こした。 「バンビちゃん。バンビちゃん起きてよ。もう朝だよ?お腹見えてるよ?」 バンビはしばらくうにゃうにゃ言いながら抵抗したが、寝ぼけた目にセオが映ると飛び起きた。 「うあぁ!?うそっ!!レディの寝床に来るなんて信じられない!!なんてデリカシーがない奴なの!?ありえない!!」 「ば、バンビちゃん落ち着いて。とりあえず見えてるもの隠そう?」 腹と共に白い下着はチラ見えし、緩んだ襟元からもかわいらしい胸が半分も見えている。 バンビは悲鳴を上げるとソファの裏に引っ込んだ。 「……えーと。おれたち何も見てないよね、セオ」 「知るかっ。俺に振るな」 リョウがセオをなだめながら朝食準備をしていると、身なりを整えたバンビが不機嫌なまま戻ってきた。 「信じられない。本当に、信じられないわっ。無神経な男ってこれだから嫌なのよね!」 「まだ言ってんのか」 「当然よ!!あんた、どれだけ失礼なことしたか分かってんの!?」 「なんで俺だけなんだよっ」 リョウは喧嘩を始めた二人の間に慌てて入った。 「まぁまぁ。とにかく食べようよ!すぐにまた出発しなきゃだし!」 穏やかとは言い難い朝食タイムとなったので、三人はさっさと食べ終わると外に出た。 幸いなことに天候が崩れることもなく、バイクは今日も南を目指す。 セオの予測通り三日目の朝には砂漠南部の景色を拝むこととなった。
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