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5罪と罰
謎の声が聞こえた日から数日が経ち、その間俺くんと約束までの会話を続ける。
凛「だからーーーでさぁ」
俺「それはーーーだろ」
もう既にした事がある会話でも俺くんと話すのは楽しい。
凛「ごめん、いっぱい話して少し喉が乾いたからちょっとお水飲むね」
俺「待ってろ、汲んできてやるから」
そう言って、俺くんはコップを持ち水を持って来てくれた。
凛「ありがとう、俺くん」
俺「怪我人なんだから、困った時は俺を頼れって」
持って来てくれた水を飲む為コップに手を伸ばしたその時。
凛「っあ」
俺くんの手を触ってしまった…
ウー ウー!
頭の中であのサイレンが響き渡る。そして声が聞こえて来る。
「貴方はルールを破りました、これよりペナルティを下します」
凛「…っう」
激しい頭痛に襲われ、俺くんの持って来てくれたコップを床に落とす。
ガシャン
俺「大丈夫か、凛」
コップが床で粉々に割れたと同時に私の、記憶が無くなって来るのが分かる。
「貴方と俺くんの記憶の一部を消しました」
声はそう告げると、頭の中から離れていった。
凛「大丈夫だよ、俺くん」
凛「でも少し寝たいから、1人にさせて」
俺「分かった、余り無理するなよ」
そう言って粉々になったコップを集めて、俺くんは病室のから出ていった。
凛「…ごめんね、俺くん」
一人になって涙が布団に落ちる、私は記憶の一部を失い、この時初めてペナルティの怖さを知った。
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