妖狐の兄妹

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 しかし、コハルは首を振って答えた。 「兄ちゃんだけの責任じゃない。私も叱られなきゃいけない」 「そうか」 「でも、そもそもなんで兄ちゃんは夜遅くに里の外に出たのさ?」 「……あ! すっかり忘れてた!」  急な大声にコハルはビクッとした。  コンタが服の裏側に入れておいた箱を取り出した。  それは、本来ならば綺麗に包装された長方形の箱だったのであろうが、コハルのタックルでふたりが地面に転がった際に潰れてしまったらしく箱はボロボロであった。 「ほれ、七五三祝いのプレゼントだ」 「え? 兄ちゃんが私にプレゼントをくれるの」 「とりあえず開けて中身を見てみなよ」 「うん!」  コハルがボロボロのプレゼントを開けると中から煙管(きせる)が出てきた。  それは紫水晶で作られてあった。地球の光を浴びて反射する煙管の輝きはとても美しい。 「とても綺麗。でも、私はまだ煙管は吸えないよ」 「コハルは幻術が苦手だったろう? それは術の力を安定させる道具でもある。もし、大人になっても幻術がままならないのなら、それを使うといい」  この煙管はコハルにプレゼントするため以前からカツラオトコに頼んで用意をしていた。  流石にコンタひとりだけではこんな品物は作れない。だから、煙管を作るためには彼の協力が必要であった。  なので、コンタは完成した煙管を取りに行くため彼が住んでいる里の外に出たのであった。
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