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 東京メトロ東西線の駅から少し離れた郊外。この一帯は工房や町工場が多く散見される。  そんな中にポツンと佇む一軒のクリーム色の平屋。エントラスには、スワッグや大きな黒板が置かれ、小洒落た雰囲気を演出している。  このサロンの名は『香 la vie(コラビエ)』。オリジナルのオーガニックフレグランスやコスメ、ハーブティなどを扱う店だ。五年前にオープンし、今は無事軌道に乗ってきたところである。  店内は落ち着いた電球色の照明が灯り、いくつかの真っ白いテーブルが置かれている。そして壁伝いには、四角枠の連なるシェルフが設けられ、色とりどりの草木や可愛らしい香水瓶が並ぶ。  店内で会計を済ませた客は、顔を綻ばせたままドアのベルを響かせ外へと出て行った。  すると二人の女性が声を揃えて 「ありがとうございました。またお待ちしております!」  と笑顔で見送った。  見届け終わると、ポニーテールを揺らして振り向きながら 「よかったですね! 香織さんのファンがまた増えましたね!」  と目を細める夏希。香織はクスッと笑い 「だったらいいな。今日はかなり遅めのお昼になっちゃってゴメンね」
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