惨殺の悲劇

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 その後、ピエロのグラウンが俺の身体を遊んだ。  右の右目、右手、右足がもぎ取られ遊ばれていた。  タイタンはグラウンを殺そうとしたが意図も容易く全機壊されたのだ。  意識が、遠退き、初めたか。  走馬灯が走る。  走馬灯の中でやはり人に迷惑を掛けて堂々その付けが回ったか。  ゆっくりと瞼を閉じたのだった。 「アレ?あれ?壊れ、チャッタ?」  グラウンはルインの頬をツンツンと指で突き頬を破る。 「壊れチャッタ♡壊レちゃった?」  クルクルとその場で回転する。まるでバレリーナの様に。   「血~は~滲ミンで~消えない~汚れニ成っちャッた~」  狂っている。  グラウンは人型餓獣でも無いただ餓獣の血肉、人間の血肉を喰らった化け物だ。  何故ここに現れたのは血の匂いに誘われ殺し回った。  餓獣も喰らい遊ぶ。  彼女は人間だけ殺すのではなくいたぶり、遊ぶのだ。  猟奇的な殺し形。  彼女はこの場を離れる。  先程の人型餓獣を追おうと足を動かした。  突如としてその場の空気が異臭が漂う、人間が腐った臭いでも無く、腐乱臭では無い。  グラウンは後ろを振り向く。 「?生きテるノ?」  聞いたのは死んだルインだった。  足元に合った剣を拾いルインに近付き屈みルインの髪を引っ張る。   「ネ?イキテルの?ネ?ね?聞イテるの?」  苛立ったのだろう。  剣を振り上げ首を斬り飛ばそうとした、が当たる寸前に止まった。  閉じた瞳が開きギョロリとグラウンの目を見た。瞳は普通では無かった。  爬虫類の様な瞳に成っていたのだ。   「人間、ナノ?」  するとグラウンが何者かに殴られ吹き飛ぶ。  殴ったのは壊れ掛けたタイタンだった。  主を守ろうとし殴り距離を取らせたのだ。  殴った衝撃により手は壊れ、バタンと倒れたが守ろうとルインに這いずる。  すると死んだルインの手がゆっくりと倒れた這いずるタイタンの頭部を触る。  するとタイタンは震え空中に浮かび光に包まれる。  グラウンは目を閉じる。  タイタンは腕、脚から分裂していく。全部が分裂した瞬間パーツが別の物に組み立てられる。  それは、一本の旗だった。  大きな旗が二つ、その上に小さな旗が一つ。  旗々に画かれている紋章にはタイタンの顔々が全て画かれていた。  空中を浮遊しルインの左手に収まる。  突然として無くなっていた右半身から漆黒に近い骨の手が無数に這い出る様に現れる。  無数の骨の手は無くなった右脚、右手の形になる。  右脚は逆間接と成り指先は五本の獣の爪。  右手は間接部分には嗤う頭蓋骨が嵌められており骨だった所は鉄の棒に成っている。  右目は無くなっていたが瞳が再生し新しく成った瞳から『二つ』の瞳孔がグラウンを睨んだ。  口の中に差し込まれた肋骨を右手で抜く。  突き刺された肋骨も全て抜き捨てる。  傷口はすぐさま異常な程に再生して立ち上がる。  旗の石打ちの所を一度地面に叩き付けた。  瞬間破壊されていたタイタン達が起き上がりルインの前に並び膝間突く。  壊れたタイタン達の装甲が復元し初めたと同時に『四つの門』がルインの後ろに現れる。門が開く。門から現れたのはタイタン。現れたタイタンには胸当て部分に十字架が描かれていた。復元されたタイタンの胸当て部分には槍と盾が重なっている様に描かれている。  40体のタイタンが現れルインの前に膝間突く。  旗の先をゆっくりとグラウンに指す。 「■■■■■」  それは人の声だったのだろうか?  ルインの指示を従いタイタンは立ち上がり武器を構える。 「■■」   短い声と共にプツリと切れた様に前に倒れた。  3体がルインを守る様に立ち、他のタイタン達はグラウンに向かって矛先を向けた。 「覚醒、イベント的な、的ナ?デモ壊したいナァ・・・・壊ソウかな?」  姿勢を低くし剣を横凪ぎをしタイタンを屠ろうとしたグラウンだが。盾に塞がれ火花が散り剣が砕かれた。   「え?ふぐっ?!」  隙が出来たグラウンにタイタンは盾で押し飛ばす。  四つん這いに成り衝撃を防ぐ。  盾を構えたタイタン達の後ろでは狙撃銃を構え横に揃ったタイタン達が狙撃銃を放つ。  狙撃から逃れようとするグラウンだが他のタイタンにより妨害される。  弾丸には当たりはしなかったグラウンだが接近をしたタイタン達の揃った槍の突きにより掠り傷が生まれる。  一体のタイタンに骨を撃ち込み壊すが骨が燃え落ち撃ち込まれた装甲が復元された。  数十秒でグラウンの濃い化粧は落ち身体からは血が滴れ落ちている。  そして、グラウンは気付いた。   (あア、これはコレハネワタシ、私負ける?マケルのかな?嫌だな、嫌ダナ)  彼女はルインに向けて走り出した。  道連れするならルインを選んだのだ。  ルインの首を目掛けて指を突き出す、が盾により指は潰れる。  一本の槍がグラウンの胸を突いた。  続くように他の所にも槍がグラウンを、串刺しグラウンは事切れた。  グラウンの走馬灯には、小さい時の自分そして母親がグラウンを優しく頭を撫でて微笑んでいたのだった。  その後タイタン達はルインを守るようにしていた。  突如として現れた餓獣は駆除され犠牲者は非戦闘員を含めて598人が死んだ大事件と成ったのだった。
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