マダムと呼ばれることに憧れてみる

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Rさんが戻ってきました。 「ひさしぶり〜おやすみごめんね〜。よかったらこれたべて〜」 仕事が終わり、片付けをしている最中、Rさんが箱に入った何かをみんなに差し出します。 ……温泉たまごでした。 ん?温泉たまご? 「トロッとしておいしいよ〜」 カタゴトの日本語で、素敵な笑顔でそう言うのです。 問題はここから。 「何処かに行ったんですか?」 バイト先の人がRさんに聞きました。 「……どっかそのへんでかった」 Rさんは何故かごまかそうとします。 「え?あれ?草津って書いてあるじゃないですか〜」 温泉たまごをくるんである包みに見まごうことなき〝草津〟の文字。 「……タベテーオイシイヨ」 カタゴトの日本語が崩壊。 その日、Nさんはお休みでした。翌日、その話を知ったNさんは怒り心頭。手がつけられません。マスクに油性ペンで×の文字を書いたらよかったのかな……ってくらい、文句が止まらない。その日はRさんが休み。 1週間のうちの4日間が出勤だったはずのRさんはその4日間全てお休みして、草津に行っとりました。 草津、良いところですよね♡ Nさんは口が裂けるんじゃないかってくらい、フィリピン語で捲し立てた後、何事もなかったかのように仕事をしていました。なんせ文句を言っても本人休みですから……無駄だと思ったのかな? 後日、全く関係ないTさんに怒りの矛先が向かい、どうなってるんだ?と話を聞くと、NさんがRさんの仮病に怒ってる。と言う話をTさんがRさんに言ったらしいのです。 アルファベットだらけで意味がわからなくなってきました。 Tさん、悪くなくね?NさんはTさんのことをメデューサと言い放ち、関係悪化。めんどくさくなったTさんは今やNさんとシフトが被らないように調節しています。有能なTさんの出勤日数が少ないのはとても困る。 ちなみに、Tさんもフィリピン人です。 Rさんはバイトを辞めました。これが全ての原因かどうかはわかりません。けど、こんな事の後でスパーンと辞めていったRさんの潔さ、嫌いじゃないです。 あ、オチがない。 とにかく人が足りない!頼むからこれ以上減らさないでくれ!!ってことを、きっと言いたかったのかな?自分でもよくわかりません。 Nさんはのびのびといつもと変わらず文句と悪口を言いながら自分のペースで働いています。若干遅め。手より口が動いちゃうからなのかもしれない。 願わくばNさんとペアにはなりたくない。 ちゃんちゃん
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