3.修行と狙われた勇者

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俺は走る体制に入る。 1回目よりも真剣だ。 「ダッシュ!!!!」 「おお!!なんかできてる気がするぞ!!頑張れ!!勇者!!!」 「うおおおおおおお、3、2、1、」 「どおおおん!!!!」 そう言うと俺は、 かけっこの前のポーズから ずるりと激しくズッコケた ズザー!!!! 「ブフーッッ」 「おい!!人の失敗を笑うな!!!!そこの猫!!」 「だって、子供の遊びみたいで、ププッ」 「うるさいな!!てかできないって分かっててやらせただろ!!この悪魔!!魔獣!!!」 「いいや、やるまで分からなかったぞ。」 「え、、、」 「1パーセントはな。」 「99%無理って分かってたんなら早く言えよ!!!このやろぉ!!!」  くそお、付き合ってらんねぇよ。こいつ。  まだ笑いころげてやがる。 「ギル、どこへ行くのだ。」  歩いていく俺に、クロエは声をかけた。 「ちょっとトイレだよ。」  俺は木や草が生えてる茂みに入っていった ーーー 「フー、スッキリした。さて、戻るか」 「お前だな。元勇者のギルというのは」  クロエでは無い声が耳元でした。  俺は反射的に距離をとった。 こいつ俺の背後にいつの間に。 気づかなかったぞ…… ん、どっかで見た事がある人だな。くノ一姿の女の子だ。 「あ!!速さの勇者の!えと、確か、名前は、、聞いてない気がする!!!」 「そうだ、私は速さの勇者と呼ばれし者。貴様を捕らえに来た。」 「なんであなたが俺を捕まえる必要があるんだよ!!」 するとくノ一姿の女の子はニヤリと笑った。 「街の中ではあなたに5万ゴールドの懸賞金がかけられている。そう、5万だ。」 「ええええ!!!!俺お尋ね者!?!?」 「そうだ。危険な薬を服用し、なお何十人もの女性のスカートをめくりまくった不届き者らしいな!!!このへんたい!!!!」 「その説はごめんなさあああああい!!」 終わった……街にはもう戻れない…… 「でも弱そうな貴方がそんなことをするとは……見かけで判断はつかないな。 まあ、嘘でも本当でも、私はお金が貰えればいい。あなたを捕まえて牢屋に入れる事だけ考えよう。大人しく着いてきてくれるか?」 くノ一は、投げる用の刃物を構えた。クナイだ ゴクリ。 俺は咄嗟に木の影に飛び込んで、クロエの方に走った。 カカカッ!とクナイが木に刺さる音が聞こえる。怖い怖い。 「クロエ!!敵だ!」 「むっ」 肉球で顔を洗っていたクロエが俺の声に気づき、肩に飛び乗りフードへ潜り込んだ。  場所は大きな道だった。サイドは茂みだ。 「見つけたぞ、元勇者ギル。大人しく捕まれ!!」 「いやだ!!!俺は魔王を倒すんだ!3年も牢屋に居られない!!」 「ふむ、こやつは、勇者3人の……」 クロエはそう言うと、フードからばっと飛び出てた。 そしてくるりと反対に走っていった。 「え!!!クロエ!!!見捨てないでよ!!俺武器も持ってないんだけど!!あなたがいないと魔法も使えないんだけど!!」 「くく……ペットにも見捨てられたのか。ギル。」 「くそっっ。でも捕まる訳には行かない!」 「では足にクナイをさして引きずって行くか。大丈夫だ、城に着いたら回復ドリンクは奢ってやろう。」  くノ一は、クナイ2本構えた。  くそっっ、ここまでか…… 「覚悟!!!」 びゅん!
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