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「まず俺が隠してたラリルレロを一気に飲み干したお前は、『ふぅー!これが無いと始まんないよな!』って言った。すると顔がぼーっとしだして、ガクンと頭が下を向いた。」
おじさんは続ける。
「俺もその時はラリルレロを飲んでるとは思っていなかったから、ずっと俯いてるお前に大丈夫かって駆け寄ったんだ。」
ゴクリ。俺はドキドキした。
「そしたらお前は急に買ったばかりの装備を外して行くんだよ。下を向きながら、胸当てとか全部。」
「俺の店は市場の真ん中だ。人がいっぱいだ。その中で無言でお前は脱いでいく。お前の頭がおかしくなったのかと思った。」
「……」
俺は多分今白目になってると思う。これはまずい展開だ。
「そしたらついにお前はパンツまで脱いだ。フルチンだ。フルチン。お客さん困ります!って俺は言ったんだが、そうしたら、『俺は勇者だー』って。剣を置いて、お前の下半身についてる勇者のツルギを振り回しながら人混みにな……」
うん。走ったらブランブラン振り回るよね。あれって。
もういいかな、聞かなくても、
おじさんは続けた。
「いや、まだあるんだ。俺がラリルレロって気づいたのはその時だったんだが、もうお前は止められなかった。人混みをフルチンで駆け回り、女性を見る度スカートをめくって色を叫んでたんだ。しろぉぉぉ、あかぁぁぁってな。」
「10人くらいのパンツを見た頃に、警備兵に捕まってお前は叫んでた。『俺は勇者だぞぉぉ!!離しやがれぇ!!』ってな。」
「そんでお前から薬物の匂いが検知されて、俺は所有者としてついでにバレたんだよ。使いもせずにな。」
おじさんの目からしくしく涙が出てるようだった。壁越しで見えないけど。
泣きたいのは俺だよ。勇者失格じゃん。
しばらくして、おじさんはボソッて言った。
「お前の中身って変態だったんだな。」
「うるせえよ!ほっとけ!」
おじさんは少し黙ると、悲しそうに言った。
「……そういえばだな、薬物所持は3年牢屋だぞ。俺もお前も。」
「へぇー。」
ん?
「今なんて?俺懲役3年って言ったの??」
おじさんは黙りこんでしまった
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