2.逃走

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2.逃走

「ええ!!脱獄すんの!」 「ああそうだ。」 猫はウンウン頷いた。 「3年も経ったら私は蒸発してきっとこの世に居ないだろう。だから今から脱出するのだ。」 えー、でもこれまた犯罪だー…… 「いいからさっさと準備しろうぅ!ほらさっき咥えて持ってきたんだぞ感謝するんだな勇者。」 牢屋の外をよく見ると昼に買った俺のおニューの装備があった。 「おおーー!!我が愛しの装備さん!!」 シマシマな服を脱ぎ捨てて装備を元に戻した。 「お前が裸になると昼のこと思い出すな。ブフッッ」 猫が思い出して吹き出した。 「ばか!!!忘れろ!!!」 俺は恥ずかしくて手をブンブン降った 「あれ?鉄の剣は??」 勇者の象徴、ツルギが見つからない。 「ああ、重かったから置いてきたぞ。」 「おおおおい!!!大事なものなんだぞ!」 「しょうがないであろう。私に無理をさせるな!」 俺はしゅん……と落ち込んだ。また買えばいいか…… よし。準備OK 「でもどうやって鍵開けるんだ?猫。」 「開けるにはな……」 猫はそう言ったかと思うと、ゆっくりと二本足で立ち、俺をビシッと指さした。 「私の頭を撫でろ!!」 「……はあ??」 「私は触れられてる時に徐々に魔力を吸収できるんだ。王に撫でられた時も少し頂いたぞ。」 猫はニヤリと笑った。 「え、王様にも魔力あるの?」 「魔力は誰にでもあるものだよ勇者。 さあ撫でろ!!!!!!」 「いちいち上から目線で言ってくるから腹立つなあこいつ……」 なでなでなでなで お膝の上に座らせた猫を撫でる。 「ゴロゴロゴロゴロ」 あらヤダ癒される……(きゅん) 「撫でてる勇者も、手がジワジワ気持ちいだろ。吸われてれる証拠だ。」 「え、ちょっとこわい。そんな事言わないでよ……」 なでなでなでなで 「猫。お前ってさ、呼び名あるのか?」 「ゴロゴロゴロゴロ」 「気持ちよさそうにしてないで、きいてるか??」 「ああ聞いてる。なかなか勇者はテクニシャンだな。撫でるの辞めてくれなきゃ話せないくらい気持ちいのだ。」  猫は満悦そうな顔をしている。 「私の名前はクロエだ。」 「なるほど!クロエか!いい名前だなぁ。俺の名前はギルだ。よろしくな?」  ギルはそう言いながらしっぽの付け根を撫でる。 「むうう、そこは……。勇者ギル。お主分かっておるな。」 「まあな。猫のことならなんでも知ってるぞ。実家で飼ってたからな。」 「も、もう大丈夫だ!充分チャージできただろう……」 「……なでなで」 「うあ、もういいってば!!やめろ!!勇者ギル!!」
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