2.逃走

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「ここでいいのか?」  人気のない大通りにクロエと一緒に来た。  遠くには、開いた門が見える。 「ああ。ここでいい。」 そういうとクロエは俺の頭のフードの中に潜り込んだ。 そしてギルの首にぷにりと掴まった。 ヤダ、肉球が俺の首に.... 「ぼさっとしてるな。ギル。見つかる前にやるぞ。」 クロエに頭をベチリと叩かれた。 「お、おう。んで、何すればいいんだ?」 「まずダッシュと唱えろ。そのあとしゃがんで走る体制になるのだ」 「分かった。」 「ダッシュ...」 クロエの触れている首の方がピリリと傷んだ。そう感じたと思ったら、 ドン!! という衝撃が足に走る。 「お、俺の足が光ってる...」 足が眩しい光を放っていた。 「そう!そうだ!やはり人間でもできるのだな!」 耳元でクロエははしゃいだ。 俺は溢れ出る力にドキドキした。 足がビリビリする。 「って、これ明るすぎない!?!?うわ!遠くから警備兵が走ってきてるよ!!」 「早く体制を整えろ。」 手を地面について右足だけ後ろに伸ばす。ってこうか?かけっこの前見たいだ。 「そうだ、そんな感じだ。そしたら足に力を溜めろ。いっぱいだ。」 「私がカウントダウンするから、3、2、1、ドンで、門に向かって走り出せ。分かったな?」 「よおし」  ググググッッッ  足に力を入れると光は強くなった 「3......」 「待てえ!!光るバケモノめ!!確保する!!」  やべ!警備兵がすぐそこにきてる 「2......」  ググググッッッ......クロエの声が俺を集中させた。  足からバチバチと音がする。 「1......」 「おら!観念しろ!!」警備兵が警棒を振り下ろしてきた。  やばい、殴られる。  くっそ!どうにでもなれ!!!  ドォォォォン!!!!!! 地面を蹴った音が大きすぎてクロエの声が掻き消えた。  俺の意識も消えた。
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