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「ええ。休憩中に大声で話してるのを聞いたもので、詳しく訊いてみたんです。そうしたら…あそこに入っていた店でいじめがあって、店員のひとりが自殺したとか…」
「…? それが本当ならうちに警察が来てるはずだが」
「だから噂ですよ。あることないこと言って、その場のノリを楽しむっていうものなんです」
「ふむ…」
岩渕は少しばかり考える。
やがて、いたずらな笑みを浮かべると丸山にこう尋ねた。
「もしかして君も、一緒になって楽しんだりしたのかい?」
「そ、そんなわけないじゃないですか!」
丸山は顔を真っ赤にして怒る。
岩渕から視線を外すと、小声かつ早口で言葉を続けた。
「確かに話を合わせるということはしましたよ。頭ごなしに怒って、彼女たちから意見や要望を聞けなくなっては意味がありませんから。でも楽しむだなんて、そんな不謹慎なこと…!」
「はははっ、いや悪かった。そういうつもりで言ったわけじゃないんだ、気にしないでくれ」
「気にしないでくれって……し、支配人~っ!」
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