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靴選び
丘をぐるりと巡る階段で
君の少し前を下りていた
落ち葉を靴でかき分けながら
君の歩く道を作ってた
君のヒールの音
爪先だけなのに
やけにタンタンと響く
そんなもんか……
くだる道
くだる二人の階段
あの日のスニーカーは
僕に合わせていただけなのか
公園で会おうと言ったのは君で
居心地わるそうなのは
公園だから?
僕のそばだから?
たぶん
さよならを言いたいから……
公園の出口までの
短い道は
二人にはじゅうぶんで
自由に人の行き交う通りに出て
急にいきいきと歩く
君はもう
僕の知らない君に戻って
楽しかった と
社交辞令を言った
元気で と
社交辞令みたいな
本当を返した
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