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サイズは把握していたものの色や柄選びに手間取ったヂョンは、散々迷った末、長居は無用とばかりに一つ思い切りよく取ると、レジに行った。そうして買い物を済ませた後、街はクリスマスムード一色だったが、近頃、ヨォコが何故か元気がないのでクリスマスツリーを象ったイルミネーションの青色を見てブルーに心が染まりそうになった。けれども、これで少しはヨォコを元気づけることができるかなあと期待しつつクリスマスプレゼント用にラッピングされたブラジャーを携えて自宅のアパートに帰った。
ヨォコは相変わらず元気なくダイニングテーブルの椅子に座りながらヂョンを待ったいた。クリスマスイブだというのに装飾と言えば、いつものテーブルクロスや空き瓶に収まる一本挿しの花以外にはクリスマスツリー型のオーナメントくらいなものだ。
キッチンテーブルは玄関とは目と鼻の先にあるのでヂョンはいきなり寂れた物悲しい光景を見せつけられたもののヨォコに向かって景気づけに只今!と明るいトーンで言ってから、「これ、クリスマスプレゼントだよ!」と更に明るいトーンで言ってヨォコに差し出した。
「ありがとう」とヨォコは力なく答え、受け取った。
「さあ、開けて見てよ」
ヨォコは頷いてラッピングを開くと、その途端、顔を両手で覆ってテーブルの上に俯せにし、よよと泣き伏してしまった。
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