私とあなたのクリスマス

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私とあなたのクリスマス

 愛するあなたへ  あなたに「愛してる」なんて直接言ったことは一度も無かったね。あなたから言われたことも無かったけど。  でも、あなたと私は恋人同士でしょう?  だって、私の部屋で夜を過ごしたし、私は一度はあなたの子供も妊娠した。 子供は堕ろしたけどね。  別に恨んではいないよ。あなたには奥さんとの間に子供がいるし、私との間の子供なんて別に欲しそうでもなかったし。  ただ、この季節になると、どうしても考えてしまうことがあるの。  あなたは、クリスマスは誰とすごしたいの? 私はクリスマスを本当は誰とすごしたかったの?  私は、あなたと少しでも長く一緒の時間が欲しいだけ。クリスマスが別々でも、それ以外の時間を長くあなたと一緒にいられたらそれでいい……って毎年そう思ってこの時期を乗り越えてきた。  でもね、今度のクリスマスはあなたと一緒にいたい。別々なんて、我慢できない。どうしてもあなたに傍にいて欲しい。独りなんて耐えられない。私を独りにして、あなたが自分の家族とクリスマスをすごすなんて、絶対に許せない。  だから私は考えたの。あなたに伝えようって。  わたしからあなたに伝えたいことは二つだけ。あなたは、どちらかを選んでくれたらいいの。  ひとつは、クリスマスはシャンパンとケーキを買って、私の部屋にお泊りして欲しいの。二人っきりの濃密なクリスマスをすごしましょう。  もう一つは、クリスマスはあなたの家族のシャンパンとケーキを私も一緒にごちそうになるの。あなたの家族と色々なお話をして、盛り上がりましょう。    ああ、今年のクリスマスはやっと満たされそう。  あなたのお返事待ってます。
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