あなたに言いたいことがあります！

　＊＊＊

　あなた。
　そう、そこのあなた。
　僕はどうしても言いたいことがあります。
　正直、とっても怒ってます。

「適当なの、って言われてもさあ……」

　僕の姉ちゃんはとってもお酒が大好き。買い物行ってきて、と僕をコンビニに送り出したはいいが、僕はお酒がさっぱりわからない。ジュースやお茶よりずっと高いものが並ぶ棚で、僕はうんうん唸ってる。
　何で姉ちゃんも母さんも父さんも、こんな高いものが好きなんだか。

「ちょっと僕、そこはお酒の棚よ。子供は買っては駄目よ」

　店員のおばさんは、困ったように僕をジュースの売り場に誘導しようとする。
　僕はむっとして相手を睨んだ。