第2話 元社畜、爆発系美少女魔導士(ビジネスパートナー)を弄り倒す

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第2話 元社畜、爆発系美少女魔導士(ビジネスパートナー)を弄り倒す

 おっと、思わず心の声が漏れていたようだ。目の前の少女が怒り出す。 「ちょ、なによ!?B級ヒロインですって?こんな完璧な美少女を捕まえて、失礼じゃない!?」  俺はふん、と鼻を鳴らしながら言ってやる。 「あのな、ヒロインというのは、ストレートのプラチナブロンドでもっと控えめな性格であるべきなのだ」 「だいたい、ピンクの髪とか負けヒロインっぽくていかん。やりようによっては淫ピとか言ってそちらの人気を得ることも可能だろうが、それだけではな。ああいや、お前の脚線美は認めているぞ。そこを伸ばせばニッチな需要はあるだろう」 「な、な、な」  俺の愛のこもった言葉に感動したのか、口をパクパクさせている。相変わらずリアクションの面白い奴だ。 「フ、そんなに感激するな。冗談だ、マルちゃん」 「ヨコスカ発祥の即席麺ギルドっぽい!?」  良く知ってんなコイツ、テレビでも見たのか? 「だから冗談だ、マルティナ主任。お前が優秀な魔導技術者というのはよくわかっている。」  魔導士。「こちらの世界」で魔法力を使い様々な奇跡?を起こす専門技能を持つ人間をそう呼ぶ。  この女の名前はマルティナ・フェーザント。16歳にしてこの国の最高学府であるローウェル皇立学院主席魔導士…らしい。 「そ、そう?分かっていればいいのよ。でもインピ?ってどういう意味なの?何か邪悪な言霊を感じるわ…」 「まあ気にするな。大した意味じゃない。誉め言葉だ」 「ほ、本当?あなた適当言ってるんじゃない?」 「俺はいつでも真剣だぞ(棒)」 「ほら、ココ〇チの商品券をやるから機嫌を直せ」 「ほんと!?やっぱりあなたいい人ね!」  株主優待でもらったココ〇チの商品券を渡すと嘘のように機嫌がよくなるマルティナ。ちょろい奴だ。お菓子につられて誘拐でもされないか心配になる。 「はっ!?思わず本題を忘れることだったわ!どう?この新しい素材?私としてはカレースプ―ンに加工すればテラを席捲できると思うのだけれど!」  こいつらは俺たちの世界のことを「テラ」と呼ぶ。  というかカレースプ―ンに席巻される世界など勘弁してほしいのだが。  俺はまじまじとそのカレースプ―ンとやらを観察する。  ゲーミングPCのように光ることを除けば、なるほど、俺たちの世界では見たことのない材質だ。大量生産できれば自動車や飛行機のボディに使えるかもしれない。 「俺は素材屋じゃないからよくわからんのだが、これはどれくらい生産できるんだ?」 「よく聞いてくれたわね!わがツキア皇国の魔導士の力をもってすれば1か月に100本を生産することも可能よ!」 「……」 「……」  思わず天を仰ぐ俺と淳。  未だにきゃいきゃいと自慢を続けるマルティナの声を聴きながら、俺は今までのことを思い出していた。
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