1 目覚めの声

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1 目覚めの声

 頭の中で声が聞こえる。 「ずっと待ってるから、あの場所で」 あの場所とは、何のことだ… 誰が俺に言っているのか分からない。 それなのに、この喪失感はなんだろう… 悠「おいっ、起きろ俺!」 その言葉にハッと意識が戻り、目の前の光景が鮮明に写る。 俺「悠か…、それにここは病院か」 悠「悠か…じゃねぇよ、めちゃくちゃ心配してたんだぞ!」 こいつは親友の悠、悠の話によると、トラックに跳ねられて病院に運ばれて何日間も意識が無かったらしい。 悠「…お前、夢の中で凛と会ってただろ」 俺「りん……って誰だ?」 悠が何を言っているのか分からない。 悠「お前何言ってんだ、寝言であれだけ……まぁ、今はいいか」 悠「取り敢えず、意識が戻って良かった」 悠はそう言うと俺に向けてタオルを投げる。 悠「明日詳しく話す、今日はその大量に出てる涙を拭いてゆっくり休め!」 そう俺に言って悠は帰って行った。 俺「……何で、俺は泣いているんだ?」 理由が分からないのに、溢れ出る涙を拭って、今日は悠の言う通り体を休めるため眠りについた。 その日の夜 俺は寝返りを打つと、指に何か光っている物に気づいた。 俺「これは…指輪?」 何か大切な事を忘れている気がする、そんな予感を抱きつつ眠りについた。 俺「明日、悠に聞いてみることにするか…」
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