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俺の未来は生まれた時から決まっていた。 叔父の会社の跡を継ぐ。 父は国家公務員。 母は専業主婦だが、母の父が印刷会社を経営していた。 現在は母の弟である叔父が社長になっている。 叔父には子どもがいなかった。 だから俺は全てを持っていた。 容姿、頭脳、身体能力、金、未来。 それについて何かを思ったことも感じたこともない。 物心ついた時から当たり前のようにそこにあったからだ。 呼吸をすることと同じように当たり前に、俺の目の前には進むべき一本道があった。
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