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1.ケーキ工場、これが「日本の常識」?
大学1年の時、10月からケーキ工場でバイト。
大学のバイト掲示板でその求人を発見した時は大喜び。
すぐさま、全速力で応募窓口へ走った。
時給はその日の掲示板トップクラス、交通費全額支給、残業夕食付。
それに、なんたってケーキ工場、返品等無料ケーキゲットも可能?
しかも、求人先Zは株式上場企業、街の小さなケーキ屋さんにあらず。
機械化された清潔で近代的設備の工場、単純作業の楽な仕事 ?
「待ってたぜ、こんなバイト」と目に涙。
ところが。
期待と現実は大違い。
そこは、恐怖工場だったのだ。
恐怖の実例を挙げよう。
なぜ、10月に素人大学生をバイトに雇った ?
クリスマスケーキを作り始めるから。
10月に作っても「製造年月日 12月24日」のラベルを貼らされた。
「 10月に、もうクリスマスケーキですか?」
バイト初日、驚いたぼくは、思わず、叫んでしまった。
それに対し、Z工場の社員Aが言い放った言葉。
「 バカヤロー、日本の常識よ、F屋なんか夏から作ってら! 」
オ、恐ろしい、わたしたちの日本って、そんな国だったの !?
確かに、クリスマスケーキを、12月24日のみで製造は無理。
ぼくがバイトの工場だけでも数千個は作ったと思う。
12月24日の0時から販売店の開店時間までに作れるはずなし。
大量の人員・大規模設備なら可能では ?
がその場合、その大量人員・設備は、他の日は遊ばせる?
12月24日だけ、どこかから借りてくる?
日本中で必要な時、採算合う金額で借りれる?
普通に考えれば、製造年月日12月24日は完全な神話とわかる。
でも、これって、詐欺なのでは?
そう、当時、日本全国でこうした詐欺がまかり通ってたのだ。
現在は、こんな「詐欺行為」など全くないので心配無用。
なぜなら、製造年月日表示無用の法律ができたから。
政府様が「規制緩和」してくださったのである。
何か月前に作ろうが、「賞味期限 12月25日」とかでOK。
日本も、進歩したものである。( ハ~ア !?)
( 2 . 「神聖な作業台」が悲劇を生む に続く )
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