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5. ぼくが虐待されたのは、なぜ ?
いくら何でもひどすぎる。
ぼくが虐待されるのは、何か特別な理由があるのでは ?
唯一の味方、事情通、事務の女の子から情報入手。
謎はすべて解けた!
虐待理由 ① 男だから。
Aは、女子大生のバイトを、熱烈に希望していた。
女子大生を手取り足取り教えたいがために。
工場長も「料理ができる女の子」希望。
が、所長が工場の意向を無視、バイトを男にした。
倉庫掃除、配達助手等々、女子大生がいやがる仕事もやらすため。
虐待理由 ② 大学生だから。
工場のメンバーは全員が高卒。
営業所の大卒社員との仲が最悪。
「 遊んどるのにわしらより給料が高い、絶対おかしい 」
Aは、1日1回はそう、口にしていた。
「 オマエのバイト料30日分の方がワシの給料より高い。
ワシはキャリア5年、オマエは何ひとつできんバイト。
絶対におかしい 」
Aは、ぼくが失敗したら(失敗させた後)必ずそう口にした。
アンタには、休みも、ボーナスも、退職金も、失業保険もある。
単純に、バイト料30日分と月給の比較はやめてくださ~い。
全体会議(正社員全員参加)は常に怒声が響き渡る。
毎回、工場と営業で業績低下の責任転嫁合戦勃発。
所長は、両者の立場を理解、仲裁するフリ。
結局は両者に、より厳しい目標を提示。
互いにチェックさせ、競わせ、業績向上をたくらんでた。
自分が大阪本部に帰れれば、後はどうなろうが関係なし?
虐待理由 ③ 賭けてたから。
「 工場の人たち、Kさんが何日で辞めるか賭けてましたよ 」
と、事務の子からタレコミが。
しかもAなどは断言していたよう。
「 今度のバイト野郎は3日以内に辞めさせる 」
フザケルナ!
オレは、そんなヤワな男じゃないぜ!
「 そんなひどいバイト、なぜすぐ辞めなかったの ?」
と、大学の女友だちから聞かれたことが。
オレは、笑って答えた。
「 フッ、特に、理由などないさ。
強いて言えば、そうだな … オレがオレであり続けるためかな 」
( 実は、クリスマスまで働けば、クリスマスケーキ無料の契約が )
( 6 . Aは魔術師だった に続く )
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