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「これで文句ないですよね?」  悠太は仕方なく頷いた。 「返してくれるお金があるなら、なぜ万引きなんかしたんですか?」 「昨日はたまたま持ち合わせがなくて、出来心だったんです。見事に失敗しましたけどね」  食べ終えた食器を纏めながらリサは恥ずかしそうに言った。自分は何のためにリサを救ったのか。それは彼女が自分と同じように貧乏だと思っていたからである。  しかし思い違いだった。自分よりもリサは圧倒的に金を持っている。財布にも使いきれないほどの札束が入っていた。それは紛れもなくリサの金なのだ。  悠太はそう理解した途端にお人好しな性格を恨んだ。そして噤んだ口から小さく吐息を漏らした。  それから夜まで悠太はもう一度眠りについた。一睡もできなかった体が限界を迎えたからだ。気付いた頃にはもう夢の中にいた。しかしその夢は全てが悪夢だった。
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