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「俺は、汚ねえ世界に入り込んだ。この世界の人間でまともな死に方する奴はほとんどいねえ。だがよ、それはヤクザの世界ではまともな死に方だと俺は思ってるんだ。汚ねえゴミにまみれながら死んでいくのがヤクザもんには似合ってるんだよ」
川島は生前そう言っていた。確かにまともな死に方ではなかった。しかし、何もこんなに汚いところで死ななくてもよかったではないかと、狭間は悔やむ。
撃たれて間も無く病院に運ばれ、目につくところに傷もないまま綺麗な状態で息を引き取ったことだけが、唯一の救いだった。
汚い路地裏を抜けて裏通りに出るとすぐに花屋が見える。狭間はそこに入った。
「献花用の花を作ってもらいたんだが」
狭間が声をかけると、若い女性店員は少しばかり怯えた様子だった。
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