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「どうだ、うまいか?」 「美味しい」  悠太はまたココアに息を吹きかけた後、少しだけ口に含んだ。狭間もその動きに合わせるようにして少しばかりコーヒーを口に運ぶ。  柔らかな白い泡が甘くて、美味しい。悠太は素直にそう感じた。世の中にこれほどの美味しい飲み物があることを初めて知った瞬間だった。 「はい、お待たせしました。オムライスです」  テーブルに置かれたオムライスを悠太は覗き込むようにして見た。黄色いドレスを纏ったような姿。率直に綺麗だなと悠太は感じた。その上に波上にかけられたケチャップはまるで口紅のようだ。 「冷めないうちに食えよ」  狭間はそう言って悠太にスプーンを手渡した。ぎこちなくスプーンでドレスを崩すと中からオレンジ色に染められたご飯が姿を表す。
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