7/13

69人が本棚に入れています
本棚に追加
/397ページ
「余計なこと聞くんじゃねえ」  悠太はこの時、狭間が清住会の構成員であると確信した。その上、狭間はカシラと呼ばれている。おそらく、幹部クラスの人間だ。  それを知った途端に、不安が押し寄せてくる。次に狙われるのは、本当に狭間ではないのだろうかと。 「あ、コーヒー飲んだら帰ろうと思ってたので大丈夫ですよ」  まだ湯気が立ち上っているコーヒーを悠太は一気に口の中へ運ぼうとした。動揺を隠すためである。それを狭間が手を出して、食い止める。 「いいよ。まだ来たばっかりなんだろ? こんな時間に押しかけてきた俺たちが悪いんだ」  狭間は軽く悠太に手を挙げた。そしてサジに何かを囁いた後、正田を連れて外へ出ていった。
/397ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加