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 およそ十五分の道のりがやけに早く感じる。それはこの状況を変えようと必死に頭を働かせているからだ。女が何をすれば自分から離れるのか。そればかりを悠太は考え続けていた。  アパートが近づいてくる。悠太はそこで初めて後ろを少しばかり確認する。スーパーの品物を入れた白い袋がゆらゆらと規則正しく動いている。間違いなく女は一定の距離感で背後を付けている。  アパートが視認できるようになった頃、悠太は一つの作戦を絞り出す。その策が成功するかは分からない。だが、何を考えているかわからない女を振り払う方法がこれしか浮かばなかった。  悠太はアパートを通り過ぎ、近くにある公園へと歩を進めた。 「ここです」  夜の公園はどこか薄気味悪かった。冷ややかな風が頬を撫でていく。後ろについてきている女がその居心地の悪さに拍車をかけているのは間違いなかった。
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