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「謝ってください」  膠着した状態が続く中、女は唇を震わせながら言った。悠太はうっすらと目を開けて、靄のかかった視界の中にいる女を捉える。銃を構える手は先ほどより震えを増していた。 「嘘をついてすみませんでした。本当に申し訳ありませんでした」  反射的に腰が動く。すぐに悠太は土下座の体勢をとった。死に直面している頭は自然と体を動かし、生きる術を見つけようとしていた。  女は悠太の許しを乞う姿を見て、力なく両手を下ろす。感情を失くした右腕が役目を果たさずに終わった拳銃を力なく揺らしていた。 「早く連れていってください。あなたのお宅に」  抑揚のない声は先ほどまでと全く違うものだった。悠太が顔を上げるとそこには右腕と同じように感情を失くした女の顔が月明かりに青白く照らされていた。
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