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嘘の種から実の花が咲く話
放課後、教室で本を読んで待っていると、おれの名を呼ぶ声に他のクラスメイトがざわめいた。廊下から教室を覗く彼に、親しげに声をかける子もいれば、興味なさそうなふりをしながらチラチラと様子を伺う子もいる。いろんな想いがあるだろうけど、みんな彼に興味があるし、無視できないんだ。
「陽、待たせてごめんな。いこっか」
「うん!」
みんなの視線を集める彼の隣は恥ずかしいけれど、少しだけ誇らしくもある。おれにだけ向けられる微笑みに周りから羨むような視線が降り注いで、なんだか申し訳ないけど、ちょっと嬉しい。
亜麻色の髪に、青みがかった灰色の瞳。凛々しく整った顔立ちにスラリと高い身長と長い足。
おれの幼馴染、雲雀は今日も完璧にかっこよかった。
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